伝えたい言葉 生きること=時間 朝礼9月16日
- 公開日
- 2014/09/16
- 更新日
- 2014/09/16
校長の部屋
このページを開いてくれた北中生の皆さん、朝礼の話をきちんと聴いてくれてありがとう。
関心があれば、「14歳の時間学」を読むことをおすすめします。
「これから」が「これまで」をつくる h26、9、16
9月からの目標、「時を守る」、「時」とは何かという話をします。
「時」とは「時間」です。
「14歳の時間学」著者の『佐治晴夫』という物理学者の言葉に心打たれましたので、皆さんにお伝えします。
佐治さんは、宇宙のことを追究している物理学者で、さまざまなことに関心を持ち活動している科学者です。特に校長先生の心にとまったのは、生きること=時間という考えです。
人の人生は、すべて現在、つまり今という瞬間との出会いと別れということです。
過去や未来に思いをはせても、それは今であって、本当の過去や未来という物はありません。過去から未来に向かって、否応なしに進んでいる時間という波にの上にのって押し流されているのが人生の姿だそうです。
話は変わって、人の体の中には、「時計遺伝子」があります。私たちの行動をコントロールする役目を担う遺伝子です。知っている人はいますか?
細胞が、「代謝」というエネルギーの変換を行っていることを「概日リズム」とよび、細胞の中でリズムが数えられています。タンパク質をしみ出させる「分泌」に12時間、減らすのにも12時間かけているです。それが24時間、地球の自転する時間、1日です。こうしたリズムを刻んで生きています。
なぜ、生物が、そのようなリズムをもっているのかと言えば、生きるためです。
はじめは、心を持たない「物」からできていた生物が、地球という環境でうまく生き伸びるためにできた知恵です。
私たちが地球の自転に合わせた時間を刻んでいる源は、細胞です。
地球の上で、うまく存在できるように細胞周期活動をしているならば、それは時間を作り出しているということだと言っていいです。だから、生きていると言うことは『時間』を作り出しているという営みなのです。
細胞が刻んでいる時間が基本になって心臓や脳を動かしているのだそうです。
「時間」はあなた自身にしかないあなたの自身の持ち物。それは今しか使えない、あなたのかけがえのないもちもの。生きることが時間です。あなたがこれから、何をするか、どう生きようと思っているのか、これからの人生はどのようにもなるからです。「これから」が「これまで」を決めるといっていいでしょう。【 佐治晴夫 「14歳の時間学」最終話より】
全く、私にとっては、佐治さんの考えは、逆でした。今まで私は、「これまで」が「これから」を作ると思っていましたが、逆に「これから」が、「これまで」を作ると考えることができます。「夢」や「希望」が「これまで」をつくる。人は生きていくことによって時間を作り出していると言うことです。だから、皆さんは、毎日の今の時が大切で、自分の持ち物である自分自身の時間をどう過ごすかです。それには、「これから」が大切であるということですね。「時を守る」に関する宇宙的、科学的な発想のお話でした。