3月までの時期に身につけること 1月7日全校集会より
- 公開日
- 2015/01/14
- 更新日
- 2015/01/14
校長の部屋
1月7日 今年度初めての全校集会「講話」
初日、今年「初めての全校集会」に参加できませんでした。
教頭を通して、代読してもらいました。
内容を掲載しておきます。読んでいただければ幸いです。
「聴くこと」と「礼を尽くすこと」 平成27年1月7日
皆さん、明けましておめでとうございます。
年の初めの集会なのに、不在をしますので、教頭先生に、大切なメッセージを託し、代読していただくことにしました。「いずまい」を正して聴いてください。
年の暮れには、自分の場を清め、そして新しい年を迎えたこと思います。除夜の鐘を聞いて、自分を振り返り、きっと、新しい目標も決めたことと思います。
私が、FKCの皆さんの姿を振り返ると、よいところは、「あいさつ」、「時を守る」の二つのことができていること、そして、「場を清める」力をつけた人が増えてきたことです。先生方も生徒の皆さんも、学校を上げて意識して心がけてきたことです。「当たり前のこと」をきちんと行って、人としての実力をつけた人が、確実に増えています。
そこで、さらにすばらしいFKCになるためには、何が必要か、私は、元旦に校長室で、思いを巡らせ、この原稿を書いています。すると、今後、「あいさつ」や「時を守る」と同じように意識していくと生徒の皆さんが賢くなる魔法の力に思い当たりました。それは、とても簡単な事だけと難しい。北中生が、意識していない大切な「当たり前のこと」。あんまり「当たり前」すぎて、つい忘れがち。皆さんが毎日、毎日繰り返している当たり前の事。本物のこの力がつくと、脳が活性化され、賢くなり、成績もきっと向上する事間違いないこと。現に、北中で「聡明」な一握りの人たちには、そうした力がすでに備わっています。備わっているから、きっと学ぶという場面で、成果を出しているのです。これから、皆さんに伝えるその力は、現在の生活にももちろんのこと、上級学校へ行っても友達作りや勉学に役立ち、社会に出てから自分の将来の夢を実現するためにもとても役立つ力だと思われます。さて、どんな力でしょう?
それは「きく」力です。皆さんは、人の話すことの意見や説明などを、どのような気持ちで聞いていますか?そして、どんな姿で、聞いていますか?
きく力には、次の三段階のレベルがあります。
レベル1 聞く 耳で音や声を感じる
レベル2 聴く 耳を傾けて、注意深く聞き取る
レベル3 訊く 相手に質問する
レベル1の門構えの聞くの人の姿と、レベル2の心を傾けて聞き取ろうとする人の姿は明らかに異なります。最後のレベル3の人は、真剣に聴くうちに相手に質問したくなるというレベルの訊き方です。皆さんの中でも、ほんの一握りしかいないと思います。これはかなり高度な力です。一般的に聡明な人(かしこいひと)は、いつもレベル3で人の話を聞いています。脳を働かせて小さい頃から訓練してきたからです。相手の話を聞き終わった後に、自分の言葉で「今の話の内容は、こういう事なんですね」とまとめて聞き直したり、「こんな場合はどうなるんですか?」などと質問をして聞き返す力です。話を聞き(外から情報を取り入れる:インプット)し、脳で思考し、続いて訊き返す(外への発信:アウトプット)と賢くなります。だから、授業中考えを文字に書いたり、話したりするというアウトプットする人は賢こくなるのです。賢いからアウトプットできるのでは無く、聴く(インプット)を当たり前にきちんとしてきたからこそ、賢くなったのです。
その入り口として、まずレベル1からレベル2へ行くには、形つまり聴く姿が大切です。相手の方を向き、体を傾けて一言も漏らすまいと相手を見つめ、目で聴く。「目で聴く」この姿が大事。もっと具体的に言えば、体の芯にある「おへそ」を相手に向け、目をそらさないように相手の顔、できれば目をしっかりと見つめて、相手の心に向かい合うのです。この形ができれば、レベル2の聴く姿です。なんだ、そんな簡単な事と思った人がきっといるでしょう
しかし、この簡単な当たり前には、深い意味があります。相手に「礼を尽くす」という意味です。いつも、「いずまいをただしましょう」と私が言うのはそのためです。「私は、姿を整えて、心で、あなたの言うことを受け止めます」という「信号」を送るのです。すると、語る人は、その「姿」を受けて、自分の思いを真剣に伝えなければなりません。語り手が、失敗して、うまくいえなくても、たとえ間違いを言っても、真剣に温かく受け止めるのです。粘り強く話し終わるまで、口を挟まずに礼を尽くすのです。これがレベル2の聴く姿です。なかなか、難しいですよ。
人が語っているのに、自分勝手な私語をしたり、形を整えないでよそを見ていたり、最後まで聞かないで自分の話を割り込んだりする事はありませんか?これは、レベル1以下で「礼を尽くす」とはいえません。さらに、脳細胞は全く働いていません。この力は、毎日の授業の中で、訓練できます。当たり前の事として、礼を尽くして聴くと、話の内容が言語中枢の脳の中に入りやすくなり、脳が活性化され、言語をつかさどるシナプスがよく働き脳細胞をつなげやすくするのです。つまり、集中力が高まり脳の巡りがよくなるのです。それには、形を整えて最後まで聴くという忍耐力がいります。毎日の1時間1時間の授業中の先生の話、友達の意見・説明でレベル2の聴くになるよう自分自身を鍛えましょう。もちろん、日常の友達との何気ない会話、部活動の時の場面、家族との楽しい語らい、先生がたと向かい合うときも、「礼を尽くし、脳を鍛える」といった意味は全く同じで「当たり前」の基本です。スポーツと同じで基本がしっかりできれば、結果はついてきます。
この話を聴いて、私に「訊く」事があれば、明日以降、是非私を呼び止めてください。楽しみにレベル3の人の質問や内容の確認を「おへそ」を向けて、「礼を尽くして」受け止めたいと思います。
寒い冬こそ、自然の生物は、地面の下にしっかりと根をはったり、自然の中に身を潜めて冬の厳しさに耐えながら過ごしています。やがてくる春のために、皆さんもしっかりと努力をしましょう。これで、新年の初めての集会のお話を終わります。