第64回卒業生160名が卒業しました。
送り出す在校生も立派な態度でした。
なお、以下に「卒業式スライドショー」と「校長式辞」をアップしました。
よろしければご覧ください。
卒業式スライドショー
卒業式、校長式辞(全文)
穏やかな風が新芽の香りを運び、春の息吹が感じられるこの良き日に、第六十四回卒業証書授与式を挙行いたしましたところ、江戸(えど)町長様をはじめ、町議会議員の皆様、教育委員、関係高等学校等、教育関係者の皆様、そして、区長様はじめ地域の皆様には、ご多用のところ御臨席を賜り、式典に光彩を添えていただきまして 誠にありがとうございます。高いところからではございますが厚く御礼申し上げます。
卒業生の保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。手塩にかけたお子様がここにひとつの大きな節目を迎えられたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深甚なる敬意を表しますとともに心よりお祝い申し上げます。
さて、百六十名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。こうして、多くのお客様をお迎えして皆さんの卒業証書授与式ができることは、扶桑中学校にとって大きな喜びであります。
皆さんとの出会いは、二年前の四月でした。皆さんは、扶桑中学校の中堅学年として、「挑戦」という学年目標のもと、みんなで協力して様々な活動の充実を図ってきました。また、最高学年になってからは、一人一人が学校づくりのリーダーとして、心も身体も立派に成長しました。本校の卒業生として送り出すことを職員一同、誇りに思っています。
皆さんのこの二年間の姿から感じたことを、本日の卒業を前に 学校新聞に「扶桑中魂」と題してまとめておきました。
「扶桑中魂」とは、ここ一番という勝負どころで力を発揮させる、伝統に裏付けられた扶桑中生としての誇りであります。
「扶桑中魂」を裏付ける「伝統」とは、校訓である「敬・愛・信」の精神であり、生徒会で引き継がれてきた四つの教訓である、学習における「思考」、生活における「規律」、部活動における「根性」、行事における「追求」であり、また、本校の三本柱といわれる「あいさつ」「掃除」「合唱」などであります。皆さんはこれらの「扶桑中魂」を立派に発揮してくれました。
その代表的なものは、部活動です。中でも、最後の夏にかける皆さんの思いは、何としても先輩たちが残した実績を上回ろうと必死でした。その結果、男子バスケットボール部の県大会出場をはじめ、剣道部、野球部、サッカー部、女子卓球部が西尾張大会出場を果たすとともに、陸上や駅伝、新体操や水泳などでも、東海大会や県大会などで活躍する選手を輩出しました。
また、体育大会や、合唱コンクールなどの行事で見せた、クラスのまとまりや、より高い目標を「追求」する姿勢そのものが扶桑中魂でした。とりわけ、体育館じゅうに響き渡る合唱の豊かな歌声は、誰の心にも感動を与え、下級生のあこがれとなりました。
その他にも、心をこめて黙々とトイレ清掃を行う姿や、自主的に取り組む朝学習、資源リサイクルなどで地域の方に礼儀正しく接する態度や、ボランティアで行う落ち葉清掃などは、そのどれもが「敬・愛・信」の精神に満ちた扶桑中魂であり、落ち着きの中にも活力のある皆さんの姿には、扶桑中生としての自信と誇りがあふれていました。
さらに、こうした取組の上に、生徒会では、「助けあわなキャンペーン」における「ペットボトルキャップ回収運動」や、体育大会における「みんなでジャンプ」の主催など、新しい企画を取り入れて、扶桑中生としての誇りをさらに高め、本校の歴史に輝かしい一ページを書き加えて、今、ここに胸を張って巣立ってくれることを嬉しく思います。
皆さんの扶桑中魂は、在校生が本校の伝統としてしっかりと受け継ぎ、更に発展させてくれることと確信しています。また、これら活動の数々は、これからの皆さんの人生の 大きな財産になると思っています。
いよいよ四月からは、高等学校や専門学校などそれぞれの道に進みます。巣立ち行く皆さんに、一つお願いがあります。
皆さんは、かつて 校長講話でお話をした、「手に入れたものはすべて失い、与えたものだけが残る」という言葉を覚えていますか。「いくら、お金や地位を手に入れたところで最終的には何も残らない。残るものは、人に与えた笑顔や親切や勇気である。人のために尽くした人の一生ほど美しいものはない」というお話をしました。
これからは 一回り大きく成長した人間としてこれまでより大きな責任を負いながら 自分で考え、自分の足で歩いていくことになります。 そのとき、自らの夢や希望をもつことはもちろんのこと、世のため、人のために役立つ人間になろうとする哲学をもってほしいのです。皆さんにはこれからももっともっと勉強し、たくさんの体験を積み、社会を見る眼を養い、判断力を磨き、何事にも負けない強さを身につけて、我が郷土である扶桑町や日本を支える人財になってほしいと思います。扶桑中学校で培った 扶桑中魂をさらに高めて、「互いを尊重し、社会に貢献できる 自己」を 確立してください。
校訓の「敬」「愛」「信」を胸に秘め、新しい世界に向かって羽ばたいていく、第六十四回卒業生 百六十名の前途に 幸多からんことを心から祈り、式辞といたします。
平成二十三年三月八日 扶桑町立扶桑中学校長 野木森 広