厳粛な中にも温かさがある素敵な卒業式でした。その裏には3年間の生徒たちの弛まぬ努力があり、友や保護者の支えがあり、今日の良き日を迎えることができました。制限の多い3年間の生活でしたが、それを乗り切り素晴らしい卒業式を自分たちの手で創り上げることができました。
写真は、おりたたみ記事の式辞の中にあります。
式 辞
梅の花が開花し 春の到来を感じる今日のこの良き日に、第七十五回卒業証書授与式を挙行できることに、深い喜びとともに、関係の皆様への感謝の気持ちでいっぱいです。
卒業生の保護者の皆様、本日はお子様のご卒業、誠におめでとうございます。多数のご参加をいただき厚く御礼申し上げます。深い愛情の中で育てられたお子様が義務教育修了の大きな節目を迎えられたことに、お喜びもひとしおのことと存じます。これまでのご苦労に深甚なる敬意を表しますとともに心よりお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。
また、本来ならば本校を支えていただいているご来賓の皆様にも、ご臨席賜り祝意を頂戴するところですが、ご承知のように「新型コロナウイルス感染症」対策として、本年度の卒業式は、卒業生、保護者、在校生代表一名、教職員での式となりました。ご理解ください。
百九十五名の卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
皆さんにとって、扶桑中学校での三年間はどのような学びの月日だったでしょうか。
特にこの二年は、新型コロナウイルス感染症の流行にともない、多くの制限や変更・中止の中での学校生活でした。私自身の心の中には、十分なことを進めることができなかったという申し訳ない気持ちがたくさんあります。
しかし、これまで何度となく私自身が皆さんに励まされました。それは、「できることを精一杯」に取り組む皆さんの姿を見る度にでした。この気持ちは、他の先生方も同じです。
とりわけ、
昨年度は実施できなかった「部活動」夏の大会・コンクールなどへの参加は、部活動の区切りとなる大切な節目を経験できました。
一ヶ月の延期なった体育祭。新たな挑戦として、異学年との交流を深める種目やブロックごとの応援を進めました。実行委員の皆さんが生き生きと活動し生徒同士の絆の大切さを強く感じる行事となりました。
また、十一月には、昨年度実施できなかった合唱コンクールを学年ごとに実施しました。皆さんの合唱は限られた時間の中での練習ではありましたが、各学級の取組が表現されたとても素晴らしい合唱でした。また、事前に行われたブロックごとの交流は、後輩に多くの伝統と文化を伝えました。
そして、二度の変更後十二月にようやく実施できた修学旅行。静岡県での修学旅行は、初めてでした。マスクの下ではありますが、笑顔がはじける姿に修学旅行に行くことができて本当に良かった。と強く感じた次第です。また、旅先のホテルに残した皆さんの感謝のメッセージが従業員の方々の心を動かしました。多くの人たちが温かな気持ちになりました。
一年生の時から、学校生活で活躍した皆さんの学年目標は「未来を拓く アマゾナイト」でした。アマゾナイトは石のことで、「希望の石」「行動の石」といわれ、心と体のバランスを整え、コミュニケーション能力を高めるパワーがあるとされています。仲間とともに一つ一つ刻んできた学校生活は、見事にアマゾナイトのように希望と行動を輝かせ続けました。そして、皆さんは、扶桑中学校での三年間でこれからの未来を拓く力を培うことができました。
いよいよ四月からは、上級学校や社会へとそれぞれの道に進みます。巣立ち行く皆さんに、一つお願いがあります。学校新聞でも紹介しました「学而」の精神を大切にしてほしいということです。
今、世界では考えもしなかったような戦争という惨事が起こっています。戦争に反対する世界の人々の声が届き、平和的な解決を願うばかりです。今後、皆さんが活躍する社会は、予測することが難しく、困難な状況に直面することがあるかもしれません。そのような中でも、扶桑中学校で学んだ人としての基礎・基本の上にさらに「学び続ける人」であってほしいと言うことです。そして、我が郷土である扶桑町や日本・世界を支える人になってほしいと願います。扶桑中学校で培った 敬愛信の精神をさらに高めて、これからの人生をたくましく幸せに生き抜いてください。
校訓の「敬」「愛」「信」を胸に秘め、次の新しい世界に向かって羽ばたいていく、 第七十五回卒業生 皆さんの前途に 幸多からんことを心から祈り、式辞といたします。
令和四年三月三日
扶桑町立扶桑中学校長
山 田 恵 士